Unity、従業員約1800人を解雇する大規模レイオフ実施へ。「コアビジネス」に集中していくための組織再編
このタイトルを見て「おいおい大丈夫かよ!」とは思わず「いよいよ始まったのかな」という気がしました。
というのもここ数年、Unity が何を目指すのかがよくわからなくなっていたからです。
誰でもお手軽にアプリを作れるような世界?
Unreal Engine よりも高品質な映像を作れるようにしたい?
UI Tool Kit も個人的にはよくわからない……Web屋さんの入り口として存在するのでしょうか。
uGui や TextMeshPro、Addressables ほど「お、これいいな。乗り換えた方が絶対得じゃん」と思えるような要素には思えなかった。
横に枝葉は広がったけど、uGui とさほど変わらない上にちょっと面倒になってたりする。覚えるコストもかかる。
過去に自分がそう思ったやつだと Silverlight とかがそうでしたね。(アーキテクチャは全然違いますが)
これは覚える必要ないなーと放置してたら、いつのまにかいなくなってました。
Weta Digital の買収とかも、1800 億円かけて買収した結果がどこに出ているのかいまいちわからず……。
個人的には Post Process の仕組みが更に強化されていく期待をしてたんですが、ここ数年、とくに何も変わりませんでした。
そんな感じで Unity にはあちこちに「贅肉」がついていき、身動き取れなくなってるように感じてました。
いやまあ、これまでの資産が優秀ですから Unity 全然使ってますけど!
2018 あたりから、進化の恩恵に預かった覚えがほとんどない、というのが正直なところです。
去年の Unity Runtime Fee は抜本的な解決策ではなく、そんな贅肉への責任をユーザーにおっ被せようという強引な脅迫でした。
当然市場でそれが通るわけもなく、すぐにその案は撤回され、責任を取ってジョン・リッチティエロ氏も退任しましたね。
後任のジム・ホワイトハースト氏は元 Red Hat を手掛けていた方。お金にならない Linux を採算化した手腕が買われたのでしょうか。こう発言しています。
「中核事業に集中し、長期的成功と収益性向上のため、仕事の数を減らします」
これから、ぶよぶよになった贅肉をそぎ落としていく。そう言っているように聞こえました。
Weta Digital との契約も終了したそうです。あれも贅肉だったのか。1800 億……。
これからも、Unity
Unity は多くの開発者にとって、間違いなく簡単で、色々なことができる素晴らしいエンジンだと私は今でも高く評価しています。
マニアックになりすぎて、一般の人がついていき辛いものではなく、引き続き誰もが入り口として使いたくなる、優しいツールであることを願っています。
Post Process は私にとって、とても夢の広がる、映像の可能性を見せてくれました。
Input > Input System くらいのアップデートも、コツコツと続けて行って欲しいですねー。
Addressables もとてもいいです。まだ Resources とか自前 AssetBundle な人は是非乗り換えてみてください!
あ、お金はさすがにもう少し取ってもいいんじゃないかな、とは思っています。
利益なきところに優秀な開発者が集まらないのもまた真理、ですから。