日本だけでアプリを配布するなら気にする必要はありませんが、せっかくグローバルな機会が与えられている世の中ですから、
他国で配布したらどんな反応があるんだろう?
こう思うのは自然だと思います。
それを阻むのが「言語の壁」。
最近の機械翻訳は優秀…とは聞きますが、それが合ってるかどうかを知る術は、我々にはないのです。
エイゴ ワカラン
例えば「Player1(左側)を選択してください」を翻訳したら、
(英文):左側にいる最初のキャラクターを選択しましょう
…間違ってない、間違ってないがなんかフワッとしてる。
英語圏のゲームで、なんだか微妙な翻訳を見たことないでしょうか。
Life を「生活」なんて訳しちゃってるの、ありますよね。(正しくは HitPoint: 体力)
「あなたは選択しなさい」みたいな翻訳されちゃってるゲームも見た記憶があります。
こういうの見て萎えた経験、ありますよね?
海外の人も、同じ思いをしてしまうということです。
I am Japan. とか、英語が苦手だと「大体あってるからよくない?」とか思ってしまいますが、俺は日本です! なんて海外のゲームで翻訳されてたら、大体あってるからよく…ねえよ! ダメだよ! って思うことでしょう。
日本語は(とくに主語が)曖昧なので、文章を調整することで自動翻訳の精度を上げることも可能です。が、それが合ってるかどうかを知る術は、我々にはないのです。(2回目)
以下は「自動翻訳は少し不安、少しお金を払ってもいいから、他国の人が気持ちよくゲームを出来るように」という人のために、Gengo というサイトを利用した、その経験談になります。
ゲームで使っている日本語を全て抜き出す
これが一番面倒かもしれませんが、翻訳を出すには必要な作業です。
Gengo を使わず、自動翻訳でも結局こういうデータは必要なので、頑張りましょう!
私は TextMeshPro に日本語を登録するたびエクセルに登録(unity ではそれを Scriptable Object 化して利用)し、TextMeshPro で登録されていない日本語を表示しようとすると、実行時にエラーが出るようにしておき、漏れがないよう確認しました。
具体的にいうと、こちらで紹介した記事を繋ぎ合わせて、実装しました。
プログラムに const 値としてまとめておくだけでも悪くはないですね。
ただ、ヒエラルキーで TextMeshPro に登録してる文章はプログラム上に出てこないので、気をつける必要があります。
なお、絵として日本語を使ってしまっているものも漏らさず抜き出しましょう。
管理面だけ考えれば、出来るだけ言葉は絵の中に埋め込まない方がいいと思います。
Gengo に出すための原稿を用意する
先ほどのエクセルを元に、Gengo に提出する書類を作ります。
Gengo では [[[ ]]] で囲まれた部分は翻訳されない(文字数としてカウントされない)ので、文章の簡単な説明や要件などを、翻訳者に伝えることができるようです。
英語の文字数は日本語の1.75倍程度にしてほしいことや、どんなゲームの文章かについて伝えています。
訳者が文字数を数えるのは面倒だと思ったので、LEN マクロなどで文字数が自動計算させる列を追加しておきました。
Gengo に出稿する
ここまで出来れば後は簡単です。
Web注文フォームから、作成したエクセルをアップロードします。
文字数は 586 でした。2930 円。3 日くらい断食すればOKですね😊
他の文字数カウントサイトと微妙に違いはありましたが、許容範囲ということでそのまま。
なお、当然ながら [[[ ]]] でコメントしていない部分は翻訳ワードではなくてもカウントされてしまうので注意してください。
私の場合文字数カウント部分が全てカウントされて +200 文字くらいになってしまっていたので、[[[ ]]] で囲うようにしました。こんなマクロ。
A1の部分はシートの配置に応じて変える ="[[["&LEN(A1)&"]]]"
出稿完了です。文字数が少ないとはいえ、目安 7 時間は速いですね!
実際は 6 時間弱で納品。速いと 1 時間弱で返ってくることも。
通勤前の朝の時間のひと稼ぎ、なんて訳者さんもいました。
言葉が少ないゲーム設計にする
個人製作の場合、なるべく言葉を少な目にするよう努力するのも大事ですね。
(RPGやアドベンチャーなど、テキストボリュームの多いゲームは難しいですが…)
自分の感性が日本より海外に向いている、なんてクリエイターがいたとしても、実際にプレイしてもらう機会がなければわかりません。
ちょっと頑張って言語選択を可能にすれば、そういう可能性が広がります。
是非チャレンジしてみましょう!