Excelでのデータ管理はそろそろ限界? は情弱経営者をあぶり出す魔法のキーワード

IT 系のニュースサイトを見ていると、毎週のようにこういったワードを目にします。
データが増えていくと分析が属人化する、共有に向いてない、バージョン管理が出来ない……。

だから〇〇を使いましょう!

結局のところ、ほとんどこれを言うためのエクセル非難なんですが、〇〇を使ったことで果たして問題が解決するのか、ちょっと疑問です。

バージョン管理だけで言うなら「じゃあ、スプレッドシートは?」とか、使った事はありませんが Office365 のエクセルだったら共有できるんじゃないでしょうか。

属人化、という部分については「〇〇を使ったほうがかえって属人化が進む」ケースが多いです。
なぜならどんな簡単なツールでも、見ただけでわかるなんてことありませんし、分析の多くは会社ごとにカスタマイズされた属人(属社?)のカタマリだからです。

どんなツールも日々アップデートを繰り返し、昔できた事ができなくなったり、やり方が変わっていきます。
結局エクセルだろうと、〇〇ツールだろうと誰かがそのツールを使いこなし続けていく必要があり、誰かが変わるのは難しくなっていきます

どんなツールを使ったところで、きっと誰かが管理し、担当者の人件費がなくなる事はありませんし、それが嫌だからと担当者を減らすほどツールは余計ブラックボックス化。
おそらく、〇〇ツールの方がエクセルよりメジャーじゃないため、属人化については「よりどうにもならない未来」が待っているでしょう。

どうにもならなくなってから、その部分をアウトソースしようとすると「無理です」と言われたり、(経営者にとっては)法外な管理費を要求される事でしょう。

受注側からすると、「これでも安いんだが」って内容だったりします。

どんなツールも、使う人の人件費はなくならない

問題なのは、経営者(お金出す人)が、「ツールを使えば魔法のように経費削減できる」と思い込んでしまうところにあります。

どんなに簡単、素晴らしいと CM を売っている商品だってパーフェクトではありません。キn……とか。
エクセルよりも簡単で、ブラウザで素人でもお手軽に GUI も作れちゃいます! なんていうから導入してみたら、結局欲しい機能が用意されていないので JavaScript をゴリゴリ書く……はい別途開発費 +30 万

そういうものなんです。ツールは魔法ではないのです。
悪いのは安くてなんでもできると思いこむ、経営者脳にあります。

上手に使いこなせば、どんなツールだって効果を発揮するでしょう。ツール悪くない。

Access のクラウド版

今現在クラウドで簡単に入力画面作れて云々……というツールはザックリ言うと「Access のクラウド版」みたいなのが多いですよね。
Access、中小企業で結構使った経験ある人多いんじゃないでしょうか。
あれ、どうなりました? 会社の誰か一人が使い始めて「便利だねえ」なんて言ってたものの、その後管理できなくなったり、機能的に厳しくなって困っていたりするんじゃないでしょうか。

ツール〇〇が 10 年後その未来を辿る可能性はかなり高いです。
Access はいまだに使えますが、ツール〇〇は 10 年後なくなってることすらあります。
ERP 導入したら、作ってた会社が倒産した! なんてことだってあります。IT は急激に進歩しますが、同時に淘汰も早いので、選択には運も必要ですね……。

IT コンサルは羊の皮をかぶった狼

ニコニコと営業してくる IT コンサルの言う通りにしてればウハウハ。
……だったはずなのに、気がつけばかえって経費がかかり、薦めてくれたコンサルもあれから全然連絡してこない。
こんな事にならないためにも、少なくともエクセルの代わりに向こう 10 年新しいツールを使い続けたら、使い続けられるか……をきちんとシミュレーションしましょう。

間違っても、一度導入すれば恒久的に業務改善なんて事はありません。
機械もいずれ古くなり、交換時期が来ます。
ツールも同じです。繰り返しになりますが、魔法ではないのです。

必要なのはツールより、経営者の知識(マインド)

どんなツールであろうと業務改善の鍵となるためには「経営者が IT に詳しいこと」が必須ですし、無理だとしても「信頼できる近しいパートナーがその代理を務めてくれる」必要があるでしょう。
もちろん、その人への人件費も忘れずに!

逆に、末端のスタッフがいくら詳しくても損得にはほぼ繋がりません。
彼らは新しいものや流行っているものを「いい」と言うだけであり、先の事を考える立場ではないですし、エクセルは不満、でも新しいことは覚えたくない。こんなマインドの人も多いです。
そういうスタッフを導くためにも、まず経営者が率先しなければいけませんね。

娘や息子の IT 教育は大事だ、学校の先生はいますぐ学ぶべきだ! なんて言わずに、まず自ら IT リテラシーを高めましょう!

「敢えて非 IT」だって、規模や業務内容が許せば全然アリってケースもあると思います。
それを言い訳にしてはいけませんが……。



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